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介護の処遇改善2026はいくら?月1万円・最大1.9万円の賃上げと加算率の表

公開日: 更新日:

2026年度(令和8年度)の介護報酬の臨時改定で、介護従事者の給料は月1.0万円、生産性向上などに取り組む職場の介護職員は最大月1.9万円上がる予定です(定期昇給0.2万円を含む。厚生労働省老健局)。手取りにすると、介護職員の平均給与の人で月約0.9万〜1.4万円の増加です。

ただし、国が給料を直接振り込むわけではありません。職場が「介護職員等処遇改善加算」を取り、それを職員に配ってはじめて上がります。このページでは、6月から変わった加算率をサービス別に並べ、手取りの増え方と、自分の職場で確かめる方法まで整理します。いまの手取りは手取り計算で出せます。

2026年度の賃上げの金額:基本月1.0万円、最大月1.9万円

今回の改定は、3年ごとの通常の改定(次は令和9年度)を待たずに行う「期中改定」です。介護報酬全体の改定率は+2.03%で、そのうち処遇改善分が+1.95%です。処遇改善加算の拡充は令和8年6月の算定分から適用されています。

内容 金額(月) 対象
基本の賃上げ 1.0万円(3.3%) 介護従事者(介護職員以外も)
生産性向上・協働化に取り組む職場の上乗せ 0.7万円(2.4%) 介護職員
合計(定期昇給0.2万円を含む) 最大 1.9万円(6.3%) 介護職員

上乗せの0.7万円は、新しくできた区分「加算Ⅰロ」「加算Ⅱロ」を取った職場の分です。つまり、同じ介護職員でも、職場がどの区分を取るかで上がり方が月0.7万円変わります。

サービス別の加算率:6月からの表

加算率は、職場が受け取るサービスの報酬に掛ける割合です。厚生労働省の資料にある主なサービスの加算率は次のとおりです。

サービス Ⅰイ Ⅰロ(新設) Ⅱイ Ⅱロ(新設) Ⅲ Ⅳ
訪問介護 27.0% 28.7% 24.9% 26.6% 20.7% 17.0%
通所介護(デイサービス) 11.1% 12.0% 10.9% 11.8% 9.9% 8.3%
特養・ショートステイ 16.3% 17.6% 15.9% 17.2% 13.6% 11.3%
老健 9.0% 9.7% 8.6% 9.3% 6.9% 5.9%
グループホーム 21.0% 22.8% 20.2% 22.0% 17.9% 14.9%
特定施設(有料老人ホーム等) 14.8% 15.9% 14.2% 15.3% 13.0% 10.8%
小規模多機能 17.1% 18.6% 16.8% 18.3% 15.6% 12.8%
介護医療院 6.2% 6.6% 5.8% 6.2% 4.7% 4.0%
通所リハ(デイケア) 10.3% 11.1% 10.0% 10.8% 8.3% 7.0%
サービス別の処遇改善加算の加算率の横棒グラフ。加算Ⅰイから新設のⅠロへの上がり方は、訪問介護27.0%→28.7%、グループホーム21.0%→22.8%、小規模多機能17.1%→18.6%、特養16.3%→17.6%、特定施設14.8%→15.9%、通所介護11.1%→12.0%、通所リハ10.3%→11.1%、老健9.0%→9.7%、介護医療院6.2%→6.6%。新しく対象になった訪問看護は1.8%、訪問リハは1.5%、居宅介護支援は2.1%
どのサービスでも、新設のⅠロはⅠイより加算率が高い。いちばん下のⅣとⅠイの差も大きい

読み方の注意が2つあります。

新しく対象になった職種:訪問看護・訪問リハ・ケアマネ

これまで処遇改善加算がなかったサービスにも、加算が新設されました。

サービス 加算率
訪問看護 1.8%
訪問リハビリテーション 1.5%
居宅介護支援・介護予防支援 2.1%

訪問看護の看護職員、訪問リハの理学療法士など、居宅介護支援のケアマネジャーも、職場が加算を取れば賃上げの対象になります。取るための要件は「加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件)」か、次の章の「令和8年度特例要件」のどちらかです。

上乗せのⅠロ・Ⅱロを取る条件

上乗せ区分を取るには、加算Ⅰ・Ⅱの要件に加えて、次のどれか1つを満たします(令和8年度特例要件)。

職場の種類 条件
訪問・通所サービスなど ケアプランデータ連携システムに加入し、実績を報告する
施設サービスなど 生産性向上推進体制加算Ⅰ又はⅡを取り、実績を報告する
共通 社会福祉連携推進法人に所属している

申請の時点では、加入や取得を誓約すれば算定できる特例もあります。今年度は、キャリアパス要件や職場環境等要件も、年度中の対応を誓約すれば足りる特例があります。職場がⅠロ・Ⅱロを取っているかは、求人や職場を比べるときの確認点のひとつになります。

手取りではいくら増える?

賃上げの額面がそのまま手取りになるわけではありません。介護職員の平均給与に足した場合の手取りの増え方を、手取り計算と同じ計算で出しました(東京都の協会けんぽ・40歳未満・扶養なし・住民税あり、令和8年度の料率)。

平均給与(令和6年9月時点) 賃上げなしの手取り 月1.0万円の場合 月1.9万円の場合
介護職員 全体 338,200円 265,756円 274,555円(+8,799円) 279,998円(+14,242円)
資格なし 290,620円 228,705円 237,587円(+8,882円) 245,514円(+16,809円)
介護福祉士 350,050円 273,731円 282,489円(+8,758円) 290,088円(+16,357円)

この条件では、額面の増えた分のうち手取りに残るのは約9割(月1.0万円の場合)です。給料全体で見ると手取りは額面の約78〜79%です。給料が上がると社会保険料と税金も増えるためです。介護福祉士の手取りの詳しい内訳は介護福祉士の給料と手取りにまとめています。

職場の種類でもともとの給料が違う

賃上げの前に、職場の種類による差も知っておくと比べやすくなります。処遇改善加算を取っている事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額です。

職場の種類 平均給与額(月)
特別養護老人ホーム 361,860円
有料老人ホームなど(特定施設) 361,000円
介護老人保健施設(老健) 352,900円
訪問介護 349,740円
介護医療院 330,030円
通所リハビリ(デイケア) 319,310円
小規模多機能型居宅介護 305,220円
グループホーム 302,010円
デイサービス(通所介護) 294,440円

いちばん高い特養と、いちばん低いデイサービスでは月67,420円の差があります。2026年度の賃上げ(月1.0万〜1.9万円)よりも大きな差です。

自分の職場で上がるか確かめる3つの方法

確かめた手当と一時金を入れて、いまの職場と求人を年額でそろえて比べるなら、求人の年収比較が使えます。

上がらない・少ないときの選択肢

上乗せの区分を取らない、配り方がはっきりしない、という職場もあります。その場合は、資格を上げる(資格別の給料差額の計算)か、加算を取って配っている職場に移るかが現実的な選択肢です。職場を変えて給料を上げる順番は介護職が転職で給料を上げる手順で解説しています。

転職サービスを使う場合は、求人票の「処遇改善手当」の額や区分を確かめてもらうと、入ってからの差が少なくなります。サービスの違いは介護の転職サービスの比較にまとめています。

まとめ

自分の資格・職場・勤続年数での給料の目安は、給料シミュレーターで確かめられます。

出典: - 厚生労働省老健局「令和8年度介護報酬改定について」 - 厚生労働省老健局「令和8年度介護報酬改定の概要」(社会保障審議会介護給付費分科会 第253回 資料1、2026年1月16日。鹿沼市の掲載資料)(加算率・特例要件、2026年10月9日確認) - 茨城県「令和8年度 介護報酬改定について ―事業所運営に関する主な事項―」(6月の算定分からの適用、2026年10月9日確認) - WAM NET「令和8年度介護報酬改定の概要」(上乗せの要件、2026年10月9日確認) - 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果の概要」(平均給与額) - 手取りの保険料率・税額表は手取り計算のページに出典を載せています